豊胸シリコンバッグ摘出(抜去)の正解
皆さん、やはりどこからシリコンバッグを取り出すのかは気になるところのようで、多くの質問が寄せられます。
Q:豊胸シリコンバッグはどこから取り除くの?
豊胸シリコンバッグの摘出(抜去)は、どこから行うのが一般的ですか?傷は残りますか?
A:当院では摘出(抜去)後の傷が残りにくい「脇の下から」がほとんどです。
豊胸リコンバッグを摘出(抜去)するときは、1脇の下、2アンダーバスト、3乳輪周囲のいずれかから行うのが一般的です。THE CLINICではバストに傷をつけない方針なので、ほとんどが脇の下から行っています。まれに、石灰化が強く出ているケースなどでアンダーバストを切開せざるを得ないこともありますが、件数としては本当にごく少数です。
技術的にはアンダーバストや乳輪を切開する方が簡単なので、他院ではそちら選択するところも少なくないようです。当院では、適切な技術と経験があれば、あえてバストや乳腺を傷つける必要はないと考えております。
脇の下からの摘出(抜去)
脇の下のシワに沿って切開するので、もっとも傷が残りにくく、乳腺を傷つけずに施術できる部位です。手術後1~3カ月程度は傷口の赤みや皮膚の硬さが気になることがありますが、当院では傷が皮膚と同化してきた時に極力目立たないように切開します。
アンダーバストからの摘出(抜去)
欧米では一般的な切開部位です。見た目にも乳腺にも傷が残る可能性がありますが、技術的に脇の下より簡単なため、日本でもここから切開するクリニックも多いようです。当院でもごくまれなケースですが、豊胸シリコンバッグの大きさによって脇の下の切開では対応できない場合、石灰化が広範囲にわたる場合などに、アンダーバストから摘出(抜去)することもあります。
乳輪の周囲からの摘出(抜去)
20年以上前の豊胸手術では主流だった切開部位です。現在は乳腺を傷つけてしまう可能性が高いので、ほとんど選択されていません。
豊胸シリコンバッグ摘出(抜去)に使用する麻酔の正解
医療事故の原因になり得るのが麻酔。正しく細かく管理しながら使用する必要があります。
Q:摘出(抜去)手術の時はどんな麻酔を使うの?
豊胸シリコンバッグの摘出(抜去)では、どんな麻酔をどこから注入するのですか?
A:当院では主に静脈麻酔を腕から点滴で注入します。
クリニックによって使う麻酔は異なりますが、THE CLINICでは現在、ほとんどのケースで静脈麻酔を選択しています。インターネット上では、美容の施術に限らず「手術中に痛みで目が覚めた」といった口コミをご覧になった方もいるかもしれませんが、当院では正確な量を確実に注入できる持続注入器を使用しており、途中で麻酔が切れるケースはありません。手術中はぐっすり眠っており、副作用が起こる確率も低い麻酔なので、安心して施術を受けていただけます。
静脈麻酔
腕から点滴をしているうちに眠ってしまうので、怖さや痛みを感じにくいのが最大のメリットです。以前はデメリットとして寝覚めの悪さや麻酔後の気分の悪さが挙げられていましたが、改良が加えられ、現在のものは副作用がほどんどありません。
全身麻酔
一般的に「全身麻酔」とは人工的に呼吸を管理して行う麻酔のことを指します。吸入タイプで、静脈麻酔と同じく呼吸をしているうちに眠ってしまうため、怖さや痛みを感じにくいのがメリットです。デメリットとしては、術後の寝覚めが悪く、吐き気を訴える方が多いこと、数万人に一人の確率で麻酔が原因の事故が報告されていることが挙げられます。
局所麻酔
注射で痛み止めの薬液を注入し、その部分だけに効かせる麻酔です。身体への負担は最も少ないのがメリットです。一方で、手術中に意識があるため怖さを感じることや、注入時の痛みを訴える方が多いこと、また局所麻酔だけで施術する場合は大量の薬液を使うため、中毒症状が出る場合があることがデメリットです。
硬膜外麻酔
硬膜(脊髄を包む膜)の外側に注射針を刺した後、細い管を挿入し、麻酔薬を注入する方法です。手術内容によっては必要不可欠なものですが、意識がある状態で、背中に針を刺されるため、怖さや痛みを感じやすいのがデメリットです。
トラブルのある豊胸シリコンバッグ摘出(抜去)の正解
豊胸シリコンバッグを摘出(抜去)するケースでは、高い確率で何らかのトラブルが発生しています。そういった場合、より適切な判断がドクターには必要となってくるのです。
Q:豊胸シリコンバッグが破損していたらどう摘出(抜去)するの?
乳房の中でバッグが破けて、シリコンなどの内容物が漏れ出していた場合は、どのように摘出(抜去)するのですか?
A:エコー検査で確認したあと、豊胸シリコンバッグを取り出します。
当院ではカウンセリングの際にエコー検査を受けていただき、破損やカプセル拘縮が起こっているかどうかなど、現在の豊胸シリコンバッグの状態を確認させていただいています。実際に摘出(抜去)する際は、「バストに傷を極力残さない」のはもちろん、「バッグを破損させずに取り出すこと」「周辺組織を傷つけないこと」「摘出後のバッグの状態をきちんとゲストに報告すること」を大切にしています。
漏れ出した内容物はきれいに生理食塩水で洗浄して取り除きます。
豊胸シリコンバッグの摘出(抜去)だけでは解決しない
現在、豊胸シリコンバッグを摘出(抜去)するゲストの多くが、同時に脂肪注入によるバスト再生手術を選択されています。豊胸シリコンバッグで組織が押しつぶされ、皮膚が伸びた状態のバストは、ただ抜去するだけでは陥没などバストに大きな変形・たるみが残り、ショックを受ける方がほとんどです。
そこで当院では、豊胸シリコンバッグ摘出(抜去)後に、失ったボリュームを異物ではなく自分の脂肪で補って、バスト本来の手触り、美しさ、安心感を取り戻すことことができる「コンデンスリッチ豊胸」をおすすめしています。
摘出(抜去)で周辺組織も豊胸シリコンバッグも「傷つけない」ことが重要
そのために重要になるのが、いかに周辺組織と豊胸シリコンバッグを傷つけずに摘出(抜去)できるかという点です。バッグが挿入されていた場所には通常、異物から体を守るために被膜(カプセル)が形成されています。被膜に血流は通っていません。この被膜を傷つけず、豊胸シリコンバッグも体内に残さないよう取り除いた後、被膜内に脂肪が入らないよう注入すると、脂肪を壊死させずきれいに定着しやすいのです。ただし、これには非常に高い技術が必要となります。
後編:【豊胸シリコンバッグ摘出・抜去時のトラブル、どうする? 手術前に読むべき質問】
- 知恵まとめ
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- 当院では切開部位に、傷が残りにくい脇の下を選んでいる
- 当院では怖さや痛み、副作用が少ない静脈麻酔を選んでいる
- 豊胸シリコンバッグ摘出(抜去)の際は周辺組織とバッグを壊さないことが重要