老化によってシリコンバッグ豊胸がバレることも
年齢を重ねると、今まで使っていた下着がパカパカして「あれ?」と思う女性は少なくありません。体重は変わらないのにデコルテが骨っぽくなり、乳腺はしぼみ、脂肪が下へ下へとたるんでいく…それは自然な老化現象なのです。
逆に、顔も体も年を重ねているのに、バストだけが張っていて、バストトップも若い頃の位置をキープしていたらどうでしょう?以前の診療録「あの芸能人もシリコンバッグ豊胸!? ドクターが豊胸に気づくポイント」でもご紹介した通り、その不自然さから「シリコンバッグ豊胸では…」とバレやすくなります。年齢を重ねてくると、「バストにハリがあることはいいことだ」と一概には言えないのです。
シリコンバッグ豊胸の不自然さに悩む女性に見つかった異常
今回ご紹介するゲストはこのシリコンバッグ豊胸の「不自然さ」に悩んでご来院されました。ところが診察してみると様々な異常が見つかったのです。
シリコンバッグ豊胸後のカプセル拘縮による左右差
診察してみると、異物を入れたことによる拒否反応「カプセル拘縮」が認められました。豊胸シリコンバッグを包む線維組織が厚くなり、締め付けて体の外に押し出そうとする症状です。特に左胸は右胸に比べて拘縮が強く、見た目にも左右差が出てしまっています。
豊胸シリコンバッグの位置のずれ
次に横から見てみましょう。エコー検査で大胸筋下に豊胸シリコンバッグが挿入されていることが分かりましたが、年月とともに位置が上にずれ、乳首が下を向いてしまっています。
豊胸シリコンバッグ挿入時の脇の傷
また上の写真を見ても分かる通り、挿入時の手術でついた脇の下の傷も目立っていました。
豊胸シリコンバッグによる肋骨の変形
手術当日、豊胸シリコンバッグを取り出した時の写真です。破損しないよう丁寧に取り出しました。長年豊胸シリコンバッグに圧迫された肋骨が歪んでいたために、抜去後は乳頭の下が凹んでしまっています。
気になるお腹の脂肪を取ってバストのボリュームを補填
今回は脇の傷をきれいに修正するとともに、豊胸シリコンバッグを抜去(摘出)し、自分の脂肪を濃縮したコンデンスリッチ豊胸でボリュームを補うことにしました。この豊胸術は硬さや左右差が改善される他に、メリットがもう一つあります。ゲストが気にしていたお腹周りから脂肪を採取して、コンデンスリッチ豊胸を行うことで、腰回りのくびれとバストアップという一挙両得を可能にしたのです。
腰回りからアンダーバストまでの腹部全体の脂肪を採取
こちらが施術前のデザインです。腰回りからアンダーバスト(赤の斜線部分)の脂肪もしっかりと採取。採取した脂肪は遠心分離器にかけ、不純物や不活細胞を取り除いたコンデンスリッチファットを作りました。これを皮下、乳腺下、大胸筋内、大胸筋下(カプセルの上)の4層に細かく丁寧に注入。さらに豊胸シリコンバッグを抜去した後のカプセル内部をしっかりと洗浄することでしこりのリスクを極限まで減らしました。
腰回りのくびれがわかるビフォア・アフター
こちらが術前(左)と、術後半年(右)の比較です。157センチの身長の方ですが、サイズはアンダーバストが73cmから72cmに減り、トップバストは84cmから85.5cmに増え、腰回りも見事なくびれが定着。ボディラインのメリハリがアップしました。
ゲストはバストの「触り心地の自然さ」に感激
今回のゲストは、何よりバストの不自然な硬さや張りが解消され、「見た目も触り心地も自然です」「気になっていた乳がん検査もこれで受けられるようになりました」と喜んでくださいました。
豊胸シリコンバッグを入れたままでいると、いずれトラブルに悩まされることになります。豊胸シリコンバッグの抜去(摘出)とコンデンスリッチ豊胸の同時施術は、気になるウエスト回りの加齢対策にもおすすめです。年月を重ねるほどに不自然さを増すバストに悩んでいる方は、ぜひご相談ください。
- 知恵まとめ
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- 老化によるバストの変化でシリコンバッグ豊胸がバレることも
- 長期の挿入で豊胸シリコンバッグがずれて不自然な位置になる場合もある
- バッグ抜去・コンデンスリッチ豊胸の同時施術はボディラインの若返りにも◎