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診療録

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豊胸は乳がん検診ができない? シリコンバッグ豊胸の不安(前編)

第18録
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シリコンバッグ豊胸を受けたことをだれにも言えず、ひそかに悩んでいる女性はたくさんいます。中には「乳がん検診を受けられない」という声も。実際の体験者の声をもとに、乳がん検査における問題点を解説します。

シリコンバッグ豊胸後でも本当は受けたい乳がん検診

豊胸 乳がん検診

タレント・北斗晶さんが闘病を公表したことでも注目を集めている乳がん。「30代からは1年に1度は受診を」とメディアでもたびたび取り上げられますが、シリコンバッグ豊胸をしている場合は検診が受けられるのでしょうか?こんなお悩みメールを寄せてくださった方がいます。

「シリコンバッグ豊胸後、乳がん検診に行けず将来が不安です」

「 5〜6年程前に大阪の美容外科でシリコンバッグ豊胸を受けました。今はその豊胸シリコンバッグが寝ても覚めても悩みの種です。寝ても流れず見た目も触り心地もバレバレって感じで…今の生活にいろいろと支障を来してます。そして何より健康診断にも乳がん検診にも行けずこれからの病気やケガなど病院も怖くてなりません。将来的な事を考えると不安でいっぱいです。」

上記のメールをくださった女性は、豊胸シリコンバッグの摘出(抜去)とともにコンデンスリッチファットの注入を検討中でした。「この方法でまず自分の胸として本当に堂々と健康診断や病院に行けるようになるのでしょうか?絶対分からないものでしょうか?」と切実に悩んでおられるご様子でした。

「豊胸手術が職場に知られてしまうから」と検診を避ける女性も

勤め先などの集団検診では、検査結果が企業側にも提供されます。「医療機関に豊胸手術したと知られたくない」はもとより、「豊胸手術のことが万が一検査結果に載ると会社にバレてしまうかも…」と、受診を避けてしまう女性も多いようです。乳がんの罹患率がグッとあがり始める40代になっても検査が受けられない…と悩む女性が多い背景には、このように「人工物を体に入れてしまったこと」による、数年にわたる葛藤があるといわれています。

乳がんを悪化させる本当の原因

乳がん 図説
出典:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター

乳がんは、日本だけで年間4万人以上もの人が新たにかかっている病気です。がんが乳管や小葉でとどまっている状態で早期発見できれば、生存率はほぼ100%に近いとされています。乳がんは必ずしも「死に至る病気」ではありません。

乳がん 生存率

日本での乳がん検査率は、たったの5.6%

乳がん検査 豊胸

ところが、検診の普及で乳がんでの死亡率が年々下がっている欧米に比べて、日本では年々死亡率が上がってきています。その背景には、日本での検診率がたった5.6%しかないという現実があります。
北斗晶さんも病床から訴えている通り、大切なのは検診を定期的に受けること。でも代表的な乳がん検診のうち、乳腺のしこりや石灰化を発見しやすい「マンモグラフィー」は、シリコンバッグ豊胸を受けていると受診を断られるケースがあります。この検査が乳房を検査台で強く圧迫して押し広げるため、豊胸シリコンバッグの破裂・破損の可能性があるからです。

シリコンバッグ豊胸は、乳がん検査を断られる場合がある

では、マンモグラフィー以外のエコー検査や触診ではどうでしょう? 物理的には圧迫をしないので、検査に支障はないようにみえます。しかし、シリコンバッグ豊胸を覆うカプセル(被膜)が石灰化していた場合、超音波が反射して真っ黒に写ってしまうため、エコーで乳房の状態を読み取ることができません
また豊胸シリコンバッグを入れた胸は、カプセル拘縮を起こしている場合や、バッグの破損により内容物が流れ出ている場合もあります。こういったケースでは、もともと胸の硬さや触り心地、見た目に異常をきたしているので、医師による触診やエコー検査でも乳がんが正しく測定できない場合があります
胸の異常が豊胸シリコンバッグの影響なのか、がんの影響なのか、区別するために時間をかけて見極める必要がありますが、集団検診の場合は特に、一人一人に多くの時間を割くことができません。そのため、あらかじめ「豊胸の手術歴がある人は乳がん検診をお断りします」と告知する医療機関が少なくないのす。

後編:【豊胸後の乳がん検診リアル体験談! シリコンバッグ豊胸の不安】

知恵まとめ
  • シリコンバッグ豊胸後「乳がん検診が受けられない」と悩む女性が多い
  • 豊胸手術を職場に知られるのを恐れて検診を受けない女性も多い
  • シリコンバッグ豊胸の場合、マンモグラフィーは破損の危険性がある

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