1. 左右差に潜む破損の危険~豊胸シリコンバッグの抜去は早めが良い?~(前編)

診療録

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左右差に潜む破損の危険~豊胸シリコンバッグの抜去は早めが良い?~(前編)

第22録
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シリコンバッグによる豊胸手術後、バストに左右差が出てきたというご相談を受けることがあります。この場合、抜去しか方法はないのでしょうか? また、抜去するなら早ければ早いほうがいいのでしょうか? そんな疑問にお答えします。

左右差の違いは豊胸シリコンバッグ破損のサイン?

胸に豊胸シリコンバッグを入れて半年。すでに左右差や違和感に悩んでいるという方が当院に相談メールを寄せてくださいました。

Q:シリコンバッグ豊胸後、左右の胸の硬さの違いと違和感に悩んでいます。

半年前にシリコンバッグ豊胸を受けましたが、クリニックの指導通りマッサージをしてもずっと左胸だけが硬い状態です。触ると自分の胸との間に段差も感じられます。施術してもらったクリニックに相談すると「ご自分で触るからそう思うだけで、何も心配ありません。問題なく完成しているのでマッサージの必要はもうありませんよ」と言われました。でも左右の柔らかさががどうしても違うんです。納得がいきません。もう手術はしたくないので、豊胸シリコンバッグを取り出さずに柔らかくできる方法を教えてください。

A:豊胸シリコンバッグが破損していたら抜去を急ぎましょう。

せっかく美しくなりたいと豊胸手術を受けられたのに、豊胸シリコンバッグの左右差にお悩みとのこと。さぞ不安を感じていらっしゃることとお察しします。施術をされたクリニックの対応も、非常に残念ですね。
このような異変を感じたら、触診だけではなく、少しでも早くエコーやMRIでしっかり調べることをおすすめします。左右差はカプセル拘縮でも起こりますが、同様のお悩みで相談に来られる方の中でもっとも多いのが「破損」。万が一バッグが破れて内容物が中で漏れ出していたら、一刻も早く取り出す必要があるのです。

抜去を急ぐべき理由1:漏れたシリコンで炎症を起こす可能性アリ

豊胸手術 失敗 左右差

実際にあった症例でご説明しましょう。 来院4ヵ月前に左胸が急に腫れてきて、様子をみていたものの、徐々に腫れがひどくなり、さすがに不安になって来院されたとのことでした。
右の写真をご覧ください。左胸が腫れているのがお分かりになるでしょうか?豊胸 シリコンがバストの中で漏れ出すと、周辺組織に炎症を起こしやすくなります。じわじわと炎症が生じ腫れや痛みを伴ったり、皮膚を突き破ったりする可能性も考えられます。この方の例では、腫れによる圧迫により、すでに皮膚に若干の変色が認められる状態でした。そのため、豊胸シリコンバッグの抜去とコンデンスリッチ豊胸を分けて行うようご提案しましたが、ご本人の強い希望があったため、しっかり洗浄をしたうえで同時に行いました。
かなり痩せ形の方だったため脂肪採取が難しかったですが、最終的にきれいな仕上がりになり、ご本人も長年の悩みから解放された様子で喜んでおられました。

豊胸シリコンバッグ破損の場合、マッサージは逆効果

破損の場合はマッサージをしても柔らかくなることはなく、かえってシリコンの漏出範囲を広げるだけなので、まったくの逆効果です。時間がたつごとに状況は悪化する一方なので、炎症がひどくなる前に摘出(抜去)を検討しましょう。今回のお悩みのようにバッグ豊胸を手掛けたクリニックに対応してもらえないようなら、他のクリニックに相談してでも、きちんと検査を受けられることをおすすめします。当院でも無料のエコー診断を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

抜去を急ぐべき理由2:漏れたシリコンの除去が困難になる

現在主流の豊胸シリコンバッグは、一般的に「破損しても流出しない」と言われているコヒーシブタイプです。ほかの多くのクリニックでは、術前にあえて切ったバッグを見せて、シリコンが漏れ出ないことをゲストに見せ、「内容物は寒天状のため、万が一バッグが破損しても心配ありません」と説明しているところも多いそうです。実際、破損しても変形しにくいので、エコー検査で指摘されるまで破けていることに気づかない方もいらっしゃいます。
ところが、私たちが数多くの摘出(抜去)を手掛ける中で、コヒーシブタイプだったはずなのに、被膜にメスを入れると液状のシリコンがドッとあふれ出てくることがあります。これはシリコンが長期にわたり、体液に混じって液状化したことによる症状です。青色だったはずのシリコンが黄色く変色し、周辺組織に広がって炎症を起こしているケースもあります。
当院では、豊胸シリコンバッグを摘出(抜去)した後、ボリュームを補うために濃縮した自分の脂肪を注入する「コンデンスリッチ豊胸」を希望される方が多くご来院されます。もしバッグが破損していても、ドクターに技術さえあれば、漏れ出たシリコンをしっかりときれいに洗浄することで、問題なく脂肪注入できます。

シリコンバッグ 種類

シリコンバッグ豊胸後、左右差に気づいた時点ですぐ受診を

豊胸手術 シリコンバッグ 破損
シリコンが体内に流出して、外袋だけしか残っていなかったケース

ところが最も困難なのは、内容物が完全に吸収されてしまい、豊胸シリコンバッグの皮だけが残っているケースです。まれではありますが、このような場合、どうしても乳輪や乳房下を切開し、念入りに洗浄せざるを得ません。ただ、当院では「極力傷を残さない」というポリシーのもと、「目立たない脇の下からにしてほしい」という方にも対応しています(検査で流出範囲を確認してからの判断になります)。乳輪や乳房下切開に比べて、脇からの抜去は難易度が高くなり、少し時間もかかってしまいますが、傷が小さいため喜んでいただけます。

違和感に気付いたら早めの受診が肝心です

破損した豊胸シリコンバッグを放っておけばおくほど、摘出(抜去)手術は難しくなります。胸に傷をつけざるを得ないケースも出てくるので、左右差や違和感に気づいた時点ですぐ受診するようにしましょう。

後編:【豊胸1カ月での抜去の選択~シリコンバッグの抜去は早めが良い?~】

知恵まとめ
  • 豊胸シリコンバッグで左右差がある場合、破損しているケースが多い
  • コヒーシブタイプでも、液状化し炎症を起こす場合がある
  • 破損を放置するとバストに傷をつけなければ抜去できないケースも
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